作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

近況報告5日分

6月3日
仕事後、久石譲さんのワークショップを覗きに。毎年開催しているとのことで、500人定員の小講堂が立ち見の学生で一杯でした。
学生の作品を発表およびその講評という内容で、懐かしかった。学生が全体的に明るいなと感じた。
私たちは当時、もっと神経質で鬱々と牽制しあっていたようだったけど。



6月4日
吉祥寺GOKサウンドスタジオにて録音実習。
ピースしているのはウチのバンドのドラマー。

ほぼ即興の一発録音。録音物を作るときは、録音前に目的を明確にしてから具体的な音にまで落とし込んだ方が作っていて面白いし良いものになるなと感じた。



6月5日
最近、アナログシンセをよく触っている。
とはいえ本物ではなく、モデリングのNordLeadやソフトシンセのこと。
今までシンセといえばマイクロコルグをウニウニ触って妙なことばかりしていたのが、きちんと作り込むとなると本当に大変だ。既に楽器の音色が固定されて曲を書くわけではない(例えば、今回はオーケストラを書きますよと決めた場合、そこにはオーケストラで使用出来る楽器の音色のみが存在する)ので、音色を決めながら曲を書きながら音色を決めるという交換が必要になってくる。なにしろ、名付けようの無い音色が欲しいとき・そうなってしまったとき・そうならないときに、原理を考えて効果を想定して出来ることと出来ないことがある・・・おわかりいただけるだろうか・・・「想定の範囲内」という言葉があるが、現段階では想定の範囲がまだまだ狭いのと、音色作りに関しては、偶然の産物で結果オーライ☆のケースを期待していても大した結果にはならないことを実感するとともに、追い込んで行けば必ず欲しい音に辿り着くだろうという無根拠な信心を私は持っている。優秀なエンジニアによって目の前で音が作られていく瞬間・・・それはシンセだけでなくミックス作業も同様に、そこに魅力的なものが立ち上がった瞬間はまるで、錬金術は実在するんだとでもいわんばかりの驚きと喜びなのである・・・なかなか立ち会え無い機会だけど。
音色を作っていると本当に良いことがあって、それは、音を細かく聞き取るようになる耳に変化したと実感できることだ。音色に対して驚くほど敏感になり、倍音と音域がまるで絵画を見るように見えてくることもまれにあるから、しばらく続けてみたい。
で、それを実感したとき強く思ったのだ。人によって音楽を聴いている箇所は絶対に異なるのだトーク・・・それはまたの機会に。


6月6日
とあるミュージシャンのレコーディングにピアノで参加するため、スタジオ入り。曲の作り込み。ピアノと一口で言っても様々なスタイルがあるし、私自身はいわゆるキーボーディストとして様々なスタイルをこれでもかと繰り出すわけではない(バンド・ルケーチで求められたこともあったが、ニューオリンズ風など弾けない)ので、まずは相手の演奏スタイルに合うような奏法と音使いを、これで良いのか良いのかと探りつつ、最終的には或る程度かたちになったので、あとは録音次第というところです。
録音といえば、自分の録音を簡単でもいいのでまたやろうとしていて、だいたい8月の暑い盛り、外出したくない時期を狙って、新曲を少しずつ書いたり毎日少しずつ練習したりしています。詞は、まだこれからで、今までの作り方は詞と曲とコードを同時に作っていたのを、今回は詞先行で書いたらどうなるだろうと思ってやってみたりはしたけど、結局のところ音を作ってから詞も再構築するのだろうから、曲先行でしばらくやってみようかなんて思ってそうしてる。



6月7日
さいきんは自分で最低限の毎日練習セットを決めています。

ピアノ編:
内容は子供の時と大差なく、
・スケール全調(ハノン式)
・バッハの平均律1曲(プレリュードとフーガが1セット)
・何か小品(いまのところスクリャービンからグリエール
そんなに熱心に練習するわけではないですが、初見の意味も含め、これらを流すと大体30分程度が必要になります。
その後、興が乗れば(と言っている時点でアレですが)もう少し大きなピアノ曲もやってみようかなと思ってみたり。
昔、思い立ってはマウスを左利き用に設定して左手を鍛えようとし、急ぎの際には使いづらさに苛立って設定を元に戻していた、そんな時もありました。

作曲編:
もありますが、それもまた別の機会に。


一日を自宅で音楽で過ごすとそれはそれで長くて、合間に散歩をしました。以前から気になっていた、民家のような喫茶店に勇気をもって入ってみました。喫茶店兼台湾料理店「水仙」。いちおうは「営業中」の看板がかかっているので、入っても良いのだと思いまして引き戸を引きます。

まるで近所のおばちゃん宅へ遊びに来ているような親密さ。
ホットコーヒーを頼むと梅干しの蜂蜜付けがサービスされました。


6月8日
きのうきょうと、れんぞくしてねぼうをしてしまいました。
昼から、いちおうがんばっていろいろやっているのですが、なかなかおわりません。
夜は、ヒゴヒロシさんバンドの練習です。今回は変拍子の新曲カバーが決まっているので心配なのと、そういった新曲を曲にする比重は大体自分にかかってくるので(キーボードというパートの宿命でもある)そちらも心配です。
いまからいってきます。