作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

大人のあそび 9/22

大人になって一番贅沢だなと思うのは、趣味に相当な力を注げた時である。


高校の時に熱中していた趣味の園芸は、当時でもとどまることを知らず加速しつづけ、まめに肥料をやり、レイアウトを季節ごとに変え、株と鉢を増やしまくり、様々な種類の植物について発芽と花の時期を把握し、休日には目ぼしい園芸店を徘徊し、目新しい種類を発見すると連れて帰る日々を過ごしていた。知識は主に、地元のしょぼい図書館に置いてある『趣味の園芸』という雑誌から得ており、バックナンバーを含めた殆どに目を通し、「今が最適、サボテンの株分け」などというコーナーを興奮ぎみに読んでいた。当時は音楽に力を注いでいなかったぶん、そんなところに力が使われていた。
とはいうもののアルバイト程度しかしていない高校生の小遣いなどたかが知れており、園芸店で見つけた株をいま買うか買わぬか、大いに悩んで店内をウロウロしていた。自分なりに吟味を重ねた草花たちに、次第に部屋は埋め尽くされ、さながら植物園のような状態であった。いま思うとまるで先取りしすぎた主婦のガーデニングだが、そのうち草花ばかりでは飽き足らず、次は樹木に手を出して剪定などやってみたいと考えていた。末は庭師だ。

ひとことに手を出すとトコトンまで熱中してしまう良い例だと思う。
高校生くらいの時分には、みんなロックやオシャレに夢中になるのだろうが(イメージです)、いまおもえば私の場合は園芸と読書だった。そういうのもある。

しばらくして家を引越し、それと共に園芸をぱったりと止めてしまった。あれは一体何だったのだろう、樹木の精にでも憑かれていたのかもしれない。その後、何度か引越したのち、現在の居住地にしばらく落ち着いているのだが、ここにきて園芸熱が再燃している気がする。日当たりの良い部屋に越してきてから、ちょこちょこと置いていた観葉植物たちが元気に過ごしているのを見て、いろいろ育ててみたいという気になってきており、休日は近所の「花工場」という園芸屋さんに行って苗や鉢を見ていると、なんともいえず落ち着く。こう書いている今すぐにでも、花工場へ行きたい。


初夏に植えたアボカドが、随分と大きくなった。
昨日のライブMCで、「まだまだ暑いですが、暑さ寒さも彼岸までといいますし、明日のお彼岸以降は涼しくなるんでしょうか」みたいな話をしたばかりで、彼岸の今朝はとても寒かった。今朝も水を遣ろうとベランダに出ると、アボカドが!

寝ているかと思った


最初は、アボカドも寝るんだカワイー☆と思って喜んでいたが、昼を過ぎてもいっこうに回復の兆しがないため、もしや寒さにやられたかと思い、かねてからの懸念事項であった植え替えを実施。

室内へ、イン

園芸にはトライ&エラーがつきもので、目を離して一夜とりこまなかったばっかりに枯らしてしまうこともあるし、よかれと思い水を遣りすぎて根が腐ることもある。人間が手をかけるぶん、人間が正しく手をかけないと死なせてしまうかもしれないのだ。それだけに、元気に育っている姿を見ると私も嬉しい。


約6時間後、元気な姿を見せてくれました。
今日、花が咲いたことに気づいた綿の花と2ショット



ようやく咲いた綿の花は、セロファンの影絵みたいに儚くて優しい




植物の健気さや可憐さに、時折涙ぐみます。
自然の歩みはゆっくりとしていて、無理をしないようすが良いです。