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作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

棺おけリスト

映画を観ました。

邦題『最高の人生の見つけ方』、原題『The Bucket List』、直訳『棺おけリスト』。

 

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がんで余命半年と宣告された二人が病院を抜け出し、”棺おけリスト"(生きているうちにやりたいことリスト)に書いた内容を次々に実行していく話。

 

スカイダイビングの実況シーンや、ピラミッドを眺めるシーンや、登頂したかったエベレストからの景色が壮大で、気分爽快になりました。

 

 

やりたいけど出来ていないこと、ってなんだろう?と考えると、

世界一周の旅 とか

バンド とか

ボランティア活動 とか

スポーツ選手になる とか

医学の勉強 とか

あるっちゃあるんだけど、

それは「ちょっと時間と体力を削れば出来る」ものから、「お金を使えば出来る」ものから、「人生設計を作り変えたら出来る」ものから、様々なグラデーションを帯びている。

 

よく、

「10年前に戻れたらもっと勉強するのに」みたいな話で、

「現在を、10年後からタイムスリップして今に至ったとみなせば、やる気になる」

ってな持論を聞いたことがある。

つまり、今が10年若返った自分なので、やりたいことをやる気になるだろう、っていう話。

最初は、「そうか!」って思ったけど、次第に「そうか?」と思ってきた。

私は、10年前になど戻りたくない。今のほうがいい。今のほうが、あのときよりも色々持っているし、色々手放して楽だし、色々出来ているし、ずっと元気で体力もある。

このままでいくと、10年後の私は、今よりもっと色々なことが良くなっている。きっと、そうなっているだろう。そして、10年前になど戻りたくないと思っているかもしれない。そう考えると、現在が、よりよい2024年から10年前に戻った状態だとしたら不幸だ。その考えは止めよう。

 

そして、これは良く感じるんだけど、すぐ叶う望みというのは得てして、お金を使えば叶えられる。そのためのお金を長年にわたって貯金してきた、ともいえるが、じっさいのところ、私のやりたいことはお金を使っても出来ないことが多い。長い時間と、絶えざる努力をしないと出来ない。お金を払っても、演奏は上達しない。演奏することでしか、演奏は上達しない。創作は、創作することでしか上達しない。ディ○ニーランドで夢の時間を買うのとは、わけが違う。

人間関係だって、そうだ。棺おけリストにあった「長年会っていない娘に会う」ことは出来ても、「娘の信用を回復する」には、そこからとても長い時間がかかる。「やる」ことは出来ても、「作る」ことには、忍耐と時間が必要だ。

残念ながら映画では、”棺おけリスト”全ての項目を達成する前に、二人は亡くなってしまう。時間、それそのものが人間の財産である。あらかじめ与えられた時間という財産を、日々食い潰しながら生きている。私には、あとどれくらいの財産が残っているのだろうか。