作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

私の菊地紗矢日記

4月21日『ラブソング』

菊地紗矢さんのニューアルバムを聴かせてもらった。

夕暮れ時、もう一日の活力が失われつつある時刻だったが、『ラブソング』が耳に飛び込んできたとき、居てもたってもいられなくなった。

生への愛しさと、苛立ちと、懐かしさでいっぱいになる。生はすなわち”音楽”と言い換えられるだろうか。生きることのどうしようもなさ、理想の音楽への憧憬と焦燥感、それはかつて自分も強く信じていたもので、でも違う、こんなふうに上手くは出来なかった。

菊地紗矢は生きとし生けるものへの数々の想いを「あいしてる」の五文字に閉じ込め、昇華させていく。

 

少しばかり世の中を知っているような気になっていた矢先、実はまだ何も知らなかったのだと思わされた。

 

4月22日『四半世紀の孤独』

一晩明けて聴きなおすと、また違った印象を受けるものだな。

『四半世紀の孤独』この曲を初めて聴いたのはインターネットだった。何度も聴いた。何度も何度も、再生回数を伸ばしたのは私もだ。

孤独、それが紗矢さんと私の共通項の一つなんだろう。なんて思っているの、気持ち悪いかしら。でもきっとそう、自分で自分に畳み掛けて、自分で自分に呼びかけ続け、自分で自分にコーラスを重ね、人とつながるつもりなのに自分を掘りまくってしまい、気がついたら四半世紀なんてあっという間に経っていて、変わらぬ銀河を眺めながら一人で立ちすくんでいる。目を凝らせば遠くの遠くの対岸に紗矢さんが見えるかもしれない。

 

4月24日『薄明』

今日の菊地紗矢は、『薄明』。これを聞いたのは紗矢さんと初めて会った名古屋の夜、弾き語りのライブでだった。冒頭からの泡立つようなピアノフレーズが印象的で、ずっと覚えていた。あ、才能。すぐに思った。それを何回もこうやって再生して聴けるのだから、私は本当に運が良い。

 

歌詞も好きで、ところどころでヴィヴィッドな言葉が飛び込んでくる。

「朝がすべてを暴く前にはばたいて」

「そして私はいないどこまでも」

私もだ。

 

4月27日『ふみきり』

イベントなどあったので少し間が空いてしまったが、今日も朝から菊地紗矢だ。

今日は『ふみきり』。これは昼と夜の境なのか、日常と非日常の境なのか、生と死の境なのか。

ストレートなバンドアレンジも合っているなぁ。ライブの最後に聴いたら泣いてしまいそうだ。

「立ち尽くす私には何もない」

何度も何度も確認するかのように、歌っている。

 

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菊地紗矢さんの、2nd album「Hello!」レコ発ライブに呼んでいただきました。光栄です。

私と紗矢さんの2ステージ、そして一緒に演奏もします。

連休中、是非ともお越しくださいませ。(名古屋です)

 

2015年5月2日(土)
名古屋・吹上 鑪ら場(たたらば)

『毎日が記念日 vol.4』
菊地紗矢 2nd album「Hello!」レコ発

開場 / 開演
19:00 / 19:30

出演
菊地紗矢 / 富山優子


料金
予約¥1,500 / 当日¥2,000(ともに+1Drink別)

予約・お問い合わせ
名古屋・吹上 鑪ら場(たたらば) 080-3919-5789(鈴木)
〒464-0858
名古屋市千種区千種3丁目29-8ライフステージ吹上B1階



 

ご予約は info@tomiyama-yuko.com で受け付けております。