作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

音楽の喜び方

サブスク天国となった現代を泣いて喜ぶのか、はたまた憂えるのかでその人の傾向がみえてくる。

 

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最近知ったブラジルのポップスアルバムをよく聴いている。ブラジルのポップスが好きな理由は、ビートが強すぎないとかリズムを捉えやすいとか色々あるんだろうけれども、やっぱりサウダージ感に絡め取られているんだと思う。郷愁転じて喪失感や切実さみたいな感覚をいつでも思い出させてくれるのが私にとってはこれらの音楽。

そういう感覚は不安感や焦燥感とも裏腹で、ネガティヴイメージのギリギリで留まっていられる人とそうでない人の違いって何だろう?そこはだいぶ第三者的に考えられる人が留まれる人であり、「自分はこの音楽を聴いてとても寂しさを感じているが、自分に寂しい要因があるわけではない」と、どこかで思えていれば、サウダージに思う存分身を委ねても戻ってこられるように思える。試金石みたいな音楽。