作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

ありがとうございました。8月31日 名古屋で演奏でした& 芸術は我が身を助く。(愛知トリエンナーレきっかけの考察)

名古屋あらたるとにて、出演者の居場所が無いくらいの満員御礼、ありがとうございました!

 

【セットリスト】
1.Intro
2.フォーマルハウト
3.若草の頃
4.おおグリーン
5.ワンダーワールド
6.光のトレモロ
Enc.わたしたちは、たった、ひとりだ。

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あっという間の40分でした。
最後には出演者全員でのエンディングセッションでした。

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The Beach Boys - Don't Worry Baby

 

沢山のご来場&共演をありがとうございました!
左上から時計回りに、加藤岳さん→磯たか子さん→富山→ケガニさん&パックワンさん

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終了後にサリー・ホーキンス似の美人にかぶりついてお話しているとき、
松の葉のケガニさん(でいいのかなw)が枝豆の燻製をくれました。
燻したら何でも美味しくなるんじゃないかという話に、秋の訪れを感じました。また山に行きたい…。(ねこの本かいます)

 

なんとなく、本気で音楽に関わる人たちと同じレベルで恥ずかしくないように生きよう、と思いました。誰にともなく、なんとなく。


翌日は愛知トリエンナーレに。
名古屋市内の会場を巡りました。

 

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名も知らぬ作品群に囲まれて、胸がすっとするような安心感。
先日、作家の平野啓一郎さんがツイッターでつぶやいていた言葉。
「文学や芸術が、何の役に立つのか?とはよく言われるが、今の世の中で、正気を保つのにメチャクチャ役に立ってるよ、僕の場合。」

全く同意。
なぜそう感じるのか自分なりに言語化してみる。


これは自分が感じることだけれども。
日々生活するだけで、他人の価値観を過剰に浴び続けているんじゃなかろうか。
例えば電車に乗れば広告が、ネットを使えば知恵袋が、テレビを見ればCMが、他人の価値観を教えてくれる。頼んでもないのに教えてくれる。これが素敵だよ、これを買えば幸せになるよ、みんな幸せだって言ってるよ。徐々に自分の意識が麻痺してくる。みんなって誰?他人と同じようにしないと幸せになれないの?あなたたちの言う幸せって何?そもそも幸せを四六時中全力で感じないといけないの?幸せは買えるの?

翻って自由な芸術作品は、独自の価値観を形成する。そもそも人はそれぞれ独自な存在であることを、改めて提示してくれる。というか私は、人がそれぞれ独自な存在であると思っているので、芸術に触れることでようやく自然に呼吸できるようになる。独自な存在であって良いと認め合うことで初めて人同士が同等になるのは、面白い現象だといつも思う。そして独自を追求することが普遍への道筋だという話は、また機会があったら改めて。

他の誰が評価していようとなかろうと、名も知れぬ一つの作品を「自分は好きだ」と感じる体験が、精神をいい状態に整えてくれる。自分が何を好きで、何を楽しいと感じて、自分の身体がいまここに確かに存在している感覚を、文学や芸術に触れることで取り戻している。
それは山で自然と戯れたり、露天風呂にて合法的に屋外で全裸になるのと、自分にとっては同じ体験。だから触れていたい。

台湾で年1日おこなわれる軍事演習の日に、誰も居なくなった公道をドローンで撮影した映像を迫力の大画面で映し出す作品が面白かった。鳥の身体の中に入ったようだった。


芸術は我が身を助く。