作曲家・富山優子 音に言葉

日々之音楽・思考・言葉

昨日見た映画『フェイブルマンズ』

月に春霞。たぶん花粉。映画終わりに夜道をそぞろ歩き、すまぁとふぉんを覗き込む。

きのう観た『フェイブルマンズ』が、けっこう面白かった。スピルバーグの自伝的映画と聞いていたので輝かしい活躍を見せるかと思いきや、出自にまつわる影の部分だったり、家庭内問題だったりを経験しながら映画に惹かれていく過程を描き、なんだかんだでこれからハリウッドで働くぞ!と期待に満ちた場面で終わった。

 

主人公は『映画に取り憑かれた』とか『他のことに興味なし』などの天才系でもなくて、一般への適応障害やトラウマからのパニック障害をもち、他の選択肢を排除した結果、致し方なく映画を志したように見えた。青年になるまでに彼が経験した家族問題やエディプスコンプレックスは、のちの作品に埋め込まれ、スタイリッシュなビジュアルと相まって、観客の深層的無意識を揺さぶってくる。

スピルバーグにとって映画作品を作ることは、忘れたいくらい苦しいのに忘れられないほど甘ったるい青年時代までの断片を追い続けることだったのかな、となんとなく感じた。それくらい母親がエキセントリックで憎たらしいほど魅力的に描かれる。

ものを作る人を題材にした作品は面白い。深層と表層。わたしたちの目には表層しか見えないけれど、読み取って考えるうち深層に触れる。それは少し正しかったりする。

劇場で観た映画2022まとめ


年末年始には
1年で観た映画をまとめているのですが、ちょっと忙しくしていて2022年の分が出来ていませんでした。本日は旧正月ということで、まだ間に合うかと思いまとめます。

新年もよろしくお願いします!

 

自分の好きポイントをカッコ内に書きました。

もう一度観たい映画は、作品名に印を付けました。

 

【劇場で観た映画2022

明け方の若者たち(北村匠海

ユンヒへ(韓国の何気ない街並み)

決戦は日曜日(懐かしセンス)

99.9 刑事専門弁護士

世界で1番美しい少年(お爺さんになっても存在感やば)

https://note.com/ytomiyama/n/nd96f9404fdf0

コンフィデンスマンJP 英雄編(このシリーズなんか観ちゃう)

ハウス・オブ・グッチ(アダム・ドライバーの色気)

クライ・マッチョ(クリント・イーストウッドとニワトリの共演)

https://note.com/ytomiyama/n/n86ec229f20e9

スティルウォーター

●Coda コーダ(!!!)

https://note.com/ytomiyama/n/n9f4cfefdf79d

香川1区(小川淳也議員のドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』の続編)

ノイズ(藤原竜也×松山ケンイチ

さがす

フレンチ・ディスパッチ

https://note.com/ytomiyama/n/ncff0233e6d07

前科者(有村架純が保護司に)

名付けようのない踊り(田中泯

https://note.com/ytomiyama/n/nc07e37fc4556

ゴーストバスターズ アフターライフ

355

声もなく

ちょっと思い出しただけ

エスト・サイド・ストーリー

https://note.com/ytomiyama/n/n0082158086b1

余命10

ファーザー

シラノ

ドリームプラン(テニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズ姉妹を育てた父)

イングリッシュ・ペイシェント

偶然と想像

とんび(北村匠海!)

ザ・バットマン

パワー・オブ・ザ・ドッグ

リング・ワンダリング(音楽担当やってます!)

ナイトメア・アリー

オッドタクシー インザウッズ

やがて海へと届く(岸井ゆきの×浜辺美波。すき。)

ゴッドファーザー PART II

今はちょっと、ついてないだけ

ゴッドファーザー 最終章

カモン カモン(ホアキン・フェニックスと子供)

劇場版ラジエーションハウス

いつも2人で

英雄の証明

死刑にいたる病

流浪の月(広瀬すず×松坂桃李!)

ハケンアニメ!(中村倫也!)

シン・ウルトラマン

オフィサー・アンド・スパイ

冬薔薇(ふゆそうび)

FLEE フリー

はい、泳げません(PTSD

ベイビー・ブローカー

バスカヴィル家の犬 シャーロック

三姉妹

ゆるキャン

ブレードランナー4kマスター)

わたしは最悪。

ビリーバーズ(新興宗教磯村勇斗!)

教育と愛国

ナワリヌイ

●PLAN75(磯村!)

https://note.com/ytomiyama/n/nd2276a108913

ギルバート・グレイプ(知的障害児を演じる若きディカプリオ)

恋する惑星

TANG タング

サバカン(ノスタりたいなら、これ)

NOPE ノープ(廃遊園地を襲う謎の未確認飛行物体)

ブレット・トレイン(ブラッド・ピット、未来の日本に来てくれてありがとう!)

さかなのこ(のんの魅力)

沈黙のパレード

よだかの片思い((not)HEROINE moviesの企画、いいよね)

川っぺりムコリッタ(ムロツヨシ

ヘルドッグス(岡田准一×坂口健太郎!)

マイ・ブロークン・マリコ(あるいみPTSD

●7人の秘書(このシリーズ眼福)

秘密の森の、その向こう(「子供の頃の記憶を大切にしよう」という気持ちになる)

スペンサー・ダイアナの決意

大間荘の三姉妹(のん)

●LAMB/ラム(変な映画。すき)

ドント・ウォーリー・ダーリン(予言的暗黒未来?)

ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー(涙なしに観れん)

ある男(窪田正孝!)

サイレント・ナイト(恣意的)

アフター・ヤン(坂本龍一の音楽っていうか音×ととのう映画)

母性(小説読んでから観に行った。こわ!)

●THE FIRST SLAMDUNK宮城リョータの魅力に開眼)

宮松と山下(哲学的な香川照之

ラーゲリより愛を込めて(松坂桃李の役どころ!)

アバター・ウェイ・オブ・ウォーター(VRは、これでいい)

Dr.コトー診療所

ケイコ 目を澄ませて(硬派な岸井ゆきの!)

あのこと

かがみの孤城(優里の歌に開眼)

すずめの戸締まり(椅子!)

天上の花(三好達治×萩原朔太郎の妹)

夜、鳥たちが啼く

 

記録していたのは、93作品でした。今年は少し少なめ・・・。他にもばんばん新作は公開されていて、全部網羅するのは不可能だけど、これからも映画ラバーとして映画館に足を運びます。

たまに劇場で上映する旧作の中でも『ギルバート・グレイプ』を観られたのは良かったな。

 

2021年の観賞履歴】

https://ytomiyama.hatenablog.com/entry/2022/01/03/145442

 

#映画 #観賞 #履歴

映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』観た。

エンニオ・モリコーネの作品集ボックスセットを聴いていると混乱する。『ニューシネマパラダイス』のようなロマン派クラシックの音楽と、『荒野の用心棒』のようなマカロニ・ウェスタンの音楽と、特殊奏法を実験する現代音楽とが、時系列上でごっちゃになって提示される。全然違う音楽世界を、どうやって行き来しているんだろう?とずっと思っていた。
その疑問が少し解けたドキュメンタリー映画
 人から求められるものと、自分のやりたいことを、どちらも譲らず共存させていった作曲家だと感じた。アカデミアの世界から色眼鏡で見られても世俗的な音楽をやることを恐れず、大衆から批判されても聴きづらい現代音楽を映画に持ち込む。確かに、映画でよく知られているモリコーネのユーモラスな音楽や美しい音楽を期待して映画を見始めると、最初の1時間ほどは随分と違う性質の音楽の話なので、苦痛かもしれないです。しかしそれらが後の礎となっていく過程が面白い。集団即興のシーンもあります。
モリコーネの映画音楽はいつも、それだけで独立した楽曲なので、映像とMAと音楽が並走していくのが対位法のように立体的。よっぽど音楽に精通している監督とやっていたのか、と思いきや、長くタッグを組んでいたセルジオ・レオーネ監督は、脚本を書く段階から音楽を依頼していたという。早い、早すぎる。ていうかモリコーネ頼み。そして音楽が映像よりも先に出来て、撮影現場で音楽を流しながら演技をしてもらうシーンにはびっくりした。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でカメラが回り、セットに入ると音楽がうっすら流れていて、困惑するロバート・デ・ニーロ。ほかにも『ミッション』では超有名曲『ガブリエルのオーボエ』を劇中で役者がたどたどしく演奏したりと、モリコーネの音楽を主軸に据えた映画作り。特定の役者を想定して脚本を書く「当て書き」ならぬ、音楽先行の「当て撮り」って、もはやモリコーネのPVじゃないですか?その方法で作ったから、あんなにも音楽と映像が関連しあって(カートゥンみたいにシンクロするわけではないのも、また面白い)構築できたのかなーとか色々考えました。
映画の付帯音楽じゃなくて、モリコーネの音楽をやりたくて、ずっとやっていた人。作曲の着想を脚本や役者や映像から得て、それぞれの世界観に音で入っていった。音楽のスタイルは様々に、それぞれが独立した楽曲として残った。しかし演奏会で曲を聴くだけで、映画のシーンが脳裏に浮かんでくる。エンドロールが終わっても、映画作品とモリコーネは強くしっかりと抱き合って、離れることはない。
 

【1月8日に名古屋で演奏する話と、名古屋で演奏を始めた頃の話】

その昔、東京は下北沢のモナレコード開催のオーディションに応募したことがあった。ソロ名義の曲はコンピレーションアルバムに収録され、出して間もなかったソロのファーストアルバムも、店長のコメント付きで販売してもらったりした。モナレコードのカフェスペースに沢山のCDが置かれていた頃の話。
並行して『富山優子エレクトリックバンド』名義でもオーディションに応募していた。バンドとして日が浅く、まだミニアルバムも作っていなかったのでスタジオ練習音源で参加した。そのオーディションで勝ち抜いたらレコーディングをしてもらえるというので、応募は不完全な音源で良いのだろうと思っていた。そののちに運営側から「レコーディングした音源だったら結果は変わってたんだけどね」的なことを伝えられ、終わってから自分たちでバンドの録音物を作った。https://tomiyama-yuko.booth.pm/items/2072249
 
バンドのオーディションで1次を通過し、ウェブでの試聴と投票が始まった。色々なバンドのエントリー曲を聴くのが面白かったし、他の人たちも私たちの音源を聴いてくれてたんだと思う。その中でグランプリを取った『Dinner Set』というバンドの福沢さんが、何かのタイミングでメッセージをくれた。曲がすごく良かったです、名古屋でも演奏してください、と。
 
単純に嬉しかった。行きます、と言い、福沢さんが運営していた大須の『サイノメ』という古民家的イベントスペースで何度も演奏させてもらった。バンドで遠征する方法がわからなかったので、ソロで行った。当時はどう思われていたんだろう?え、バンドじゃなくてソロで来たの?なんで?と思われていたのかもしれない。金山のブラジルコーヒーで演奏させてもらった時もあった。1階にある広い老舗の喫茶店で、他ではなかなか体験できない不思議なスペース。
それから年1、2回は何かとお世話になってきた名古屋。同じく弾き語りをやっている磯たか子さんと出会い、東京での音楽仲間であるmueさんと3人で東名阪ツアーを敢行したりと、その頃は本当に周りに引っ張ってもらってばかりだった。磯さんが何故かドラムを叩いている『フラットライナーズ』というバンドのCDが好きで、聴いて元気を出していた。いつかライブで観たい!と焦がれていたのが今回、1月8日に共演できるのも感慨深い。
 
今では名古屋に『富山優子トリオ』名義で行けるようになったのも、始まりはオーディションでの出会いだったということを、そこから色々な人と出会った結果だということを、なんだか今回強くかみしめてセットリストを考えたりしている。そして、また名古屋の音楽人たちと出会いたい。あの頃に共演した人たちや知り合った人たちにも、また会いたいです。
 
***
 
1月8日(日・祝前日)
名古屋金山・ブラジルコーヒー
 
 
 
開場 / 開演
18:30 / 19:00
 
出演
富山優子トリオ / Radical Humanism / フラットライナーズ
 
料金
予約 2,500円 当日 3,000円 (別途飲食代)
 
予約・お問い合わせ
金山ブラジルコーヒー
〒460-0022 名古屋市中区金山4-6-22コスモビル1F
TEL: 0523215223
mail: nqlunch@gmail.com
 
Radical Humanismの春日井さんに呼んでいただいて演奏します!
 

 

以前に演奏したサイノメの

 
#名古屋
#ブラジルコーヒー
#radicalhumanism
#富山優子トリオ

 

気持ちの良い秋晴れ/10月26日は南青山マンダラで演奏します。

東京は晴れております。

各地の雨、大丈夫でしょうか・・・?

次の水曜日は南青山で演奏します。晴れるといいな。

是非お越しくださいませ☆

 

10月26日(水)
南青山 MANDALA
【Minami Aoyama Song Book 2022】

開場 / 開演
18:30 / 19:00

出演
富山 優子(Pf,Vo) /秋山 羊子(Pf,Vo)

料金
予約3,000円/当日3,300円 (+1drink)

予約・お問い合わせ
南青山 MANDALA
〒107-0062 東京都港区南青山3丁目2-2MRビルB1
Phone:03-5474-0411 Fax:03-5474-0412



音響も内装も食事も素晴らしいお店です。
久しぶりに秋山さんとご一緒します!